椎間板のゆるみってしょうがない事ですか?

椎間板のゆるみについて

椎間板のゆるみって、歳のせい??

先日初診の患者様が、「整形外科でレントゲンを撮ったら椎間板ヘルニアって診断されました。25歳を過ぎると年齢的に椎間板がだんだん緩んでくるからしょうがないって言われました」とおっしゃっていました。

果たしてそうなのでしょうか?じゃあ、全ての人がある年齢が来たら椎間板がゆるんでヘルニアになるのでしょうか?疑問に思います。

骨はだんだん変形してきます

確かに、二十歳を過ぎて、ある程度年齢を重ねると大なり小なり骨が変形している方が多く見られます。

変形してくると、背骨の椎骨が、きれいな四角いブロック状の形から台形やつぶれた形に変わってきます。そうするとブロックに挟まれた椎間板がゆるくなり、移動しやすくなります。

 

屈む動作などで椎間板が後方に大きく移動した際に神経を圧迫して坐骨神経痛を引き起こします。腰椎椎間板ヘルニアは、このように発生します。しかし、全ての方がなるわけではありません。

昔、整形外科に勤務していた頃、背骨のレントゲンをたくさん診ました。確かに年齢が増すことで、骨の形はだんだんと変わって来ます。ですがあまり変わらない人もいます。なぜでしょうか?

 

体に加わる力

それは、年齢ではなく、「体に加わる力」の差で大きく左右されてきます。

関節が滑らかに動いていて、姿勢が良い方は長年過ごしてきても、骨の形はキープできますが、若い頃から姿勢が悪く、運動不足や歩き不足の方、もしくは過度な負担を体にかけていた方は早く体に変化が出て来ます。その変化の表れが骨の変形となって現れます。(椎間板も緩みやすいってことです)

骨の変形は鍾乳洞のように時間をかけて知らぬ間にゆっくり起きてきます。「朝起きたら、いきなり腰が痛くなった」とよく患者様に言われますが、ぶつけたとか急激に捻ったなど、大きな外力を受けない限り、体はいきなり悪くなるわけではありません。徐々に悪くなるものです。

体に変化が出るには時間がかかります。姿勢が悪くてだんだん悪くなるのも、治療して良くなるのも、どちらにしろ時間がかかります。

痛みが無く、健康的に過ごしていきたいのならば、長い目でみて、普段から体づくりをしていかないといけません。

大切なのは体づくり

体づくりというと、激しいトレーニングをしなさいと言うわけではありません。

背すじをちゃんと伸ばしましょう!という事です。気をつければ誰でも簡単にできますよね。

慢性の腰痛、腰椎椎間板ヘルニアで悩んでいる方は、パソコンやスマホで良さげな病院を探すことよりも、まず、立つ、歩く、座る、の時に背すじを伸ばすことからはじめてください

必ず体は変わります。